お子様にも必要な話し方教室
話し方教室に通うお子さんが増えてきました。
子供達はどういう理由で話し方や伝え方を学ぼう、としているのでしょうか?
当教室でも、10年ほど前より話し方や話し声、お腹から大きな声で話せる発声方法などに興味を持つ子供達が受講しはじめました。
ただ、当時はあくまでも中学生が中心、高校受験での面接対策や授業の中で、グループで課題発表することになった、放送部に入ったために話し方や発声を学びたい、という子供達が多かったのです。
ところが今は小学生から多く来られています。今は小学2年生で熱心に通われて話し方を学んでいる子供もいます。話し方のトレーニングは子供でも大人でも、年をとっても若くても大切なものだと思います。
なぜなら子供には子供の世界があり、子供達の人間関係があります。その人間関係は言葉を発することによってつくられていくからです。
話し方を学ぶ子供のタイプとは?
声が小さくおとなしい子供
以前にも、このコラムでご紹介しましたが、小学生のお子さんで話し方が上手になりたい、という場合、いくつかのタイプがあります。
1つはおとなしい、静かなタイプです。何人かの友達といると臆してしまってうまく話ができない。
家ではもっとおしゃべりなんだけど、どうして学校に行くと、おとなしくなってしまうのか、とご両親は悩まれています。
普通に友達と話すことができたら、学校の生活は楽しいはずでしょう。
性格が内向的だと様々な友達とのコミュニケーションが逆に苦痛になってしまっているケースがあります。
でも子供というのは大人では考えられないほど成長する力を持っています。
ちょっと話し方のトレーニングをすることで、自分に自信を持って性格までもがびっくりするほど明るくなる子もいます。
大人はあれやこれやと余計なことを考えてしまって、なかなか自分に自信を持てるようになれません。
でも、自信を持つのに根拠などいらないのです。
だって皆さん根拠なく自信喪失しているわけですから・・・
友達の輪に飛び込んでいけるようになったら、学校生活が楽しくおくれるようになるでしょう。
こうした事例を見るたびに話し方を練習することは、大きな力があるなぁ、と実感するのです。
元気で活発なのだけど・・・
また別のタイプでは、明朗活発、友達も多く、大きい声でよくしゃべるのだけれど
例えば皆の前で自己紹介しましょう、見学に行った場所の感想を発表してください、という時があります。
すると今まで大きな声で元気が良かったのがとたんにモジモジしてしまいます。
口語体は得意だけど、文章体を離すのは苦手、というタイプ。
つまりきちんとした言葉で話すことができない、という子。
友達と「このまえさ~、ねえねえ・・」というおしゃべりはいくらでも話しているのだけれど、「私はこう思います。」という、文章体の話し方になると、おじけづいてしまいます。
ただこういう子の場合は話す力をトレーニングしていけばクラスの中でもリーダータイプになっていく可能性が大きいです。
なぜならコミュニケーションの基盤に流れる、人が好き、人と話したい、という人なつこさをもともと持っている子が多いからです。
こちらがびっくりするほど目覚ましい成長をとげてクラスの中で存在感を発揮していく、とても楽しみな子供です。
この2つについては以前にもご紹介しましたが、もう1つ付け加えると、発表などはちゃんと話せるのだけれど、友達づくりが苦手、という子供です。
話す時間や場が与えられると、それなりにきちんとまとめた話はできる、話をまとめる力はある、頭の良い子なわけです。
でも友達づくり、会話、コミュニケーションというのはパワーや度胸、瞬間で判断して言葉を発しているわけです。
そういう場になると臆してしまったり引っ込んでしまったりするわけです。
そうした子供の場合、大きな声で話せる、自分の話に自信をもたせる、周囲のことに関心をもってスピーディに話題を見つけるなどを通して、自信をつけていくことで元気になっていきます。
子供の成長は早い、だからこそ
こうした話し方を学ぶ小学生の子供達には感心します。
子供のうちから話し方教室に通う、話し方のコツを学ぶ、というメリットは計り知れなくあります。
その1つには、なんといっても成長が著しく早いことです。当話し方教室は有り難いことに、非常に年齢幅が広く、小学生から80代のかたまで、話し方を学ぶために通っていただいています。
その中で思うのは、やはり年齢が若い人は話し方上手になる成長のスピードが速い!
これはごく当たり前のことかもしれませんが、1人1人をみておりますと、如実に感じます。それが子供となると・・・中学生、小学生となると、話し方のコツの習得の仕方がすごい!勿論個人差はあるのですが、素晴らしい話し方をみるみる習得していきます。
そしてもう1つ子供のうちから話し方教室に通うメリットをあげると、それは性格が変わる子供が多い、ということです。消極的な性格から、話し方がハキハキと大きな声で話せることで積極的に変われた子供もいます。
人間は暗い声で話していると、自己暗示で考え方も暗くなってきたり、性格も暗くなってくるものです。
何しろ暗い話し方や声を1日中聞いているのは自分なのですから。
その逆に話す声が明るくなる、笑顔で話せるようになると、自分で自分のことを、「明るい人間だ」と思いこんでくるのです。
子供の場合、余計な思いこみがない分、ストレートに変われるのではないでしょうか。
小金井市観光課からの依頼で、「観光ガイドボランティア養成講座」というセミナーにおける「話し方」部門セミナーの講師を務めた時のことです。
観光ガイドを目指してセミナーに参加された方より「子供達にもっと話し方の教育をするべきではないか」というご意見がでました。実際にその方はさまざま、観光ガイドボランティアをされていて、日本の子供達の話し方がなっていない、といわれます。
海外から来た子供達は良い悪いはともかく、自分の考えをはっきり話す。日本の子供たちは、もともとそういう教育を受けてないところに、さらにメールやラインばかりやっていて、話し方の能力が劣っている、これじゃあダメだ、とおっしゃっていました。
確かにメールで用件を伝えても、そこに潜んでいる自分の感情までは伝わりません。勿論ニコニコマークなどつけたとしても、限界があるでしょう。
「自分の気持ちをきちんと伝えられる」話し方の能力は練習を重ねることで、確実にアップしていきます。
素晴らしい文章力のある人が、話し方においても素晴らしい内容をつたえられるか、といったら、なかなかイコールにはなりません。やはり、書くことと話すことは別ものなのです。
東京の話し方教室 堀口メソッドボイススクール
著者 堀口 真理 >>詳細はこちら